チラシ初体験物語

■突然の….

 兄の衆院選立候補。驚きました。
正直に書くと、僕は共産党員ではなく、
日本共産党のみの支持者ではありません。
兄の世田谷区議会時代3度の選挙も、手伝いませんでした。

が、今回はこの話を聞いた瞬間、手伝う事を決めました。
なぜならば、政治家にとっての国会は、俺から見て武道館?
「兄の、一世一代の大舞台…」と感じたし、
兄の努力と苦悩を
見てきたからです。

■東京6区とは…

北は烏山、東は北沢、西は喜多見、南は三軒茶屋の世田谷区8割の地域。
町は約45、人口約60万人、有権者約50万人。
そこに、兄以外2候補が立ち、計3名が凌ぎを削ります。

他の候補者は、
現職おちたかお氏(自民党 公明推薦)
福田赳夫総理の孫で、叔父は福田康夫総理。
父は越智通雄元大臣、慶應幼稚舎~慶應大卒。
まさに地盤継いだプリンス。
5度目の衆院選、講演会や組織力もダントツ。

落合貴之氏(維新)
江田憲司氏や、タリーズコーヒー社長から代議士になった
松田公太氏の秘書で、元みんなの党支部長。銀行出身衆院選2度目。

まさに、二人とも強豪!!
そして、ここ東京6区は、まさに自民と民主の強い地域であり、
兄の所属する日本共産党は、1度も勝った事なし!

■過去のデータ(得票率)

2012年 トップ当選者 自民98112票 32.9%
        共産党  24725票   8.3%
2009年 トップ当選者 民主174367票 56.4%
        共産党 27105票    8.8%
2005年 トップ当選者 自民136750票 46.3%
        共産党   28252票    9.6%

…週刊誌には、下馬評に名前掲載すら、なしかぁ~。

確かに、組織票はあるはずですが、やはり1票を入れるのは自由!
無党派も多く、やはり直接訴えるしかないのです。
岸たけしチラシ

■僕は…チラシ配り…!!

公示が終わり、12/2選挙期間突入!
「第一声」三軒茶屋のキャロットタワー前。
100人ほど集まり、兄の演説もスタート。
兄以外も演説するので、自分も支援者の皆さんと共に、
兄の公約の書かれたチラシを配る事に。

実はこの時 「チラシ配り…初体験」
認識として、ティッシュ配りって大変だろうな…くらいでしたが、
商売なさっている方に「チラシ配りは商売の基本」
教わった事を思い出しました。

そう…「チラシ」は、手にとって頂く事が肝心だし、
「情報」を気持ち良く伝えるのが大切。
というわけで、前日、渋谷に行き、ティッシュ配りの方数人と、
チラシ配りの方数人を観察しました。
渋谷2

■リサーチ…

「上手いチラシ配りは」→
笑顔に近い表情で、一箇所にとどまらず、風に逆らわず揺れる葉のよう。

「NG」→急いでいる人。両手に荷物を持った人。いちゃいちゃカップル。
怒りそうな人。

「ターゲット」→若者より年配の方が、受け取ります。
集団で、人並みがドッと押し寄せてくる時は、あまり頑張らず、
ターゲット絞った場合は、歩くラインにそっと入り、空気のように配布。
あと、
身なりがチャラチャラしすぎていると、それだけで敬遠。

一番上手く配れていたのはやはり若い女性。
が、僕の性別と年齢操作は無理なので、頭を整理し
シュミレーション

■チラシ配り….本番!

いよいよチラシ配り開始。
ただやはり「郷には郷に従え…」なので、
兄のチラシを配る方を、遠めに観察

やはり予想通り、選挙のチラシは、なかなか受け取って貰えません。
配り方は渋谷のティッシュ配りのお兄さんと違い、
同じ立ち位置で、ただ向かってくる方にチラシを差出し、
駄目なら諦めるパターン….。

が、僕もダメもとで、まずは右へ習えと、同じ形でチャレンジします。
なるほど….上手くいかない!

僕は1度チラシ配りをやめて車へ戻り、
B5サイズのチラシを四つ折にしました。
どうも、B5サイズのチラシのままじゃ、受け取りずらいし、
イイ品の紙を使っているので、
もしも、相手様の指を切ってはいけません。

次に、ジャンバーを脱ぎます。
やはり、選挙なので、頑張っている感を出さなければいけません!
12月の夕方、正直寒いですが、ホッカイロをおなかと背中に貼り、
再スタート。

上下スーツ、目立つようにハットを被り、真っ赤なマフラー!

イメージは、あの上手いティッシュ配りのお兄さん。
まず、こっちへ歩いて来る方を10m前で判断。
ターゲットを絞り、さりげなく近づき、笑顔でゆっくり頭を下げ、
「こんにちわ。」
と、四つ折にした、チラシを差出します。

こうすると、先程より上手くいきますが、「何のチラシ?」
となるので、
兄の訴えを「ワン・フレーズ」で語り、差し出すスタイルへ。

「反原発です。」→チラシ。 「消費税8%目指してます。」→チラシ。
「第9条、戦争しない国にする為、国政に立ちます。」
…ん、これでは長すぎる…通過された(泣)

まだまだスムーズに配れていない….何故?
「あっ!!」
兄の演説の音が大きく、僕の声が伝わらないのです!

法律で「選挙のチラシは、演説の音が聞こえる範囲で配る」
という決め事があるので、
ならばと、兄の演説場所から10mほど離れ、
うるさくない場所で、再チャレンジ。

ここから→快進撃!!
「笑顔→引き込み→ワン・フレーズ作戦」が効きだします!

ご年配の方に対しては、笑顔でハットをとり、深々と頭を下げ挨拶し、
ワンフレーズ!
見た感じ寒そうなカッコに対し、おばちゃんの同情心も手伝い、
立ち止まる事も増え、そこからは、
「ワンフレーズ+兄の公約少々」
を話したり、世間話をする事にしました。

そこで、たまたま「実は、兄弟なんですよ」と言うと、
おばちゃん達は、更に興味をもってくれる事に気付き、
ワン・フレーズのプラスを 「実は、兄弟なんです」に変更!

ここまで来ると、一気に関心と興味が高まり、
チラシの兄と僕を見比べるのです。
そこまで来たら、「実は、僕、歌手なんです」と、
自分の宣伝も追加!

ここまでコミュニケーションがとれたら、チラシ読む確立は高く
なります。
やはり「読んでほしい」し、それが「兄への一票」に繋がれば
バンバンザイなのです。

ただし、歩いている側に立つと、別の目的のもと歩いているので、
チラシは邪魔。
いくら選挙だからと、正義ぶって押し付けてはいけないのです。

嫌な話、文句を言ってきたり、どなってきたり、台車転がしてワザとぶつかってくる
オヤジもいました。
そういう危ない人が兄に近づいた場合は、ガードする為、チラシをポケットに
しまい、近くへ。
その為、スーツですが、運動靴を履いてます。

街頭演説時は、いつも
「もしかしたら?」のアンテナも常に張ってました。

話戻り、失敗も多かったです。
1度断られた方の顔を忘れ、また声をかけ睨まれたり。

残念だったのは、「若者」 
チラシを配ろうとすると、
「政治に興味ないから」 「政治は関係ないから」か無視が8割強。
20代の女性も近づいた瞬間、無視する方が8割…。

が、チラシ配りは、「切りかえ」と「割り切り」が大事!
イチイチ、怒ったりめげるわけにはいきません。

こんな感じで途中から上手くいき、1時間で100枚配れました。
で、次の1時間は、
ターゲットをもう少し拡げることに。

頭に浮かんだのは、兄貴の履歴
区議の時「保育園」を幾つか建設する法案を通し建設へ。
そして、更に増やしたい思いがあるのです。

自分ルールでは、両手のふさがっている方に、チラシを配らないと決めて
ましたが、ここからは、ベビーカーを押す若いお母さんにも、
声をかける事に。

「保育園の問題についても、頑張ります!」
雰囲気OKそうな方には、
「あの方は、世田谷区内で、幾つも保育園建設実績あるんですよっ」
と、声をかけると、嬉しそうな顔をして、
気持ちよく受け取って頂けるんです。

同世代男性から少し上の方が興味あるのは「原発再稼動」
経済も大切だけど、将来子供の事を考えると、不安だと。

高齢者の方には「集団的自衛権」「9条」に関心が高く、
ある町では、演説を終えた兄に、戦争体験者のお祖父さんが、
「戦争の体験談を….」教えて下さりました。

やはり、お祖父さん層になると「命」の問題が大切なんですね。

こうして、後半1時間も上手くいき、計約200枚ほど配れました。

が、チラシ配りに苦労するのは朝。
皆さん急いでいる時なので、邪魔にならないよう渡そうとしますが、
厳しいです、無理!!
あと、人通りの少ない道では、演説の近くにすら来ないですね。
チラシや演説以前の問題ですね。

コクだったのは、一度配り終えた地域。
受け取って頂く効果は、急降下。

この2週間のチラシ配りで一番学んだ事は、
「自分を消す!」

相手様在り気の空間で、どう入るか….という反復でした。
相手を読み、時には仕掛け網のように…。

選挙結果としては、残念ながら兄は「落選」
が、風も吹き51595票頂き、得票率も20.5%獲得。
これは共産党内で全国4位。東京2位。世田谷史上最高得票だった事です。

思えば、兄と意見がぶつかり口論になったり、
「公開討論会」の3日前からは、朝3時まで、
ディベートや受け応えの練習をしました。
(残念ながら、相手候補2人、ドタキャンで中止に。)

いつか、[この学びや体験を互いに活かす時が、来るよ]

兄の衆院選立候補以来、政治的なブログやフェースが増え、
気分を悪くされている方もいるかもしれません。
岸兄選挙のお話は、とりあえずここまで。
また、何かの機会に書こうと思います。

この身、この汗を信じて….