桑田佳祐との闘い~「音楽の寅さん」(桑田佳祐vs岸哲蔵)

■いきなり…テレビの仕事!

2000年9月…ビクターレコードのディレクターSさんから
電話が入る。
「明日、渋谷で弾き語り出来る?内容は会ってから…」
俺の答えは、ひとつだ!

当時26歳の俺はギター抱え、渋谷ハチ公前へ!
「岸君、今日、TVのロケだから、宜しくねぇ」
「テ・レ・ビ~~!!!!」
「今度、フジで始まる…大物アーティスト…の番組だよ」

■ビクターレコードA&R新人育成部門

当時の俺は、歌というより、90%港湾労働者。
朝7時半浜松町集まり、現場を振り分けられる。
台場、青海、晴海、日の出、芝浦、大黒(川崎)本牧(横浜)
現場は、ほぼ力仕事か船内の危険作業。
力仕事はやりじまい(終われば帰っていい)で10700円
船は危険手当が+3000円。

「矢沢永吉になりたい!」という夢も、現実は厳しく、
18歳で芸能事務所(養成所ではない)に入るも挫折。
ライブハウスでも芽が出ず、バンドも組めず、
23歳あたりからは、完全に自分を見失っていた。

そんな時期、先輩の紹介でビクターレコードのデェレクターと
知り合う。
「歌も上手いし、ステージ映えするね!」…これだけの理由で、
契約ではないが、ビクターレコード新人育成部入り。
月1回、新宿西口のスタジオでデェレクターのSさんに、
曲を聴いてもらい、アドバイスを頂く。

当時、とにかく言われたのは、
「大きい声で、日本語の歌詞を伝える!!」
トレーニングは新宿のしょんべん横丁から東口へぬけるガード下。
弾き語りで、声を鍛えたものだ。
…勿論、マイクなど使用せず、地声でぇ…
そんな流れがあり、弾き語りの仕事が舞い込んできたわけだ。

■フジテレビ収録 弾き語り

仕事内容→「ハチ公前で、OKが出る迄、路上ライブ」
19時スタート! 
金曜日ハチ公前、人込みの中、必死に叫ぶ。
お巡りに注意され、酔っ払いに絡まれ、
アムラーには白い目で見られても、続行。

21時ディレクターのSさんが「カレー弁当」差し入れ。
「歌いながらカレーかよ?」と思いつつも、カレーの誘惑に負ける。
(デェレクターのSさんは、とても優しい方だが、多少…天然)
気が付けば22時「カメラは回ってるから」とSさん。
が、俺以外にいた2組の弾き語りは、呆れて帰っちゃう。

■桑田佳祐vs岸哲蔵

…さすがに声も出ずらくなった…24時頃…
「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲェ~」
どっかのおっさんが東急入口前に座り弾き語る。
しかも、ゲゲゲの鬼太郎….。
ん?なんだか、聴き覚えのある声だ…

「きゃ~~~~」ハチ公前の若者達がおっさんに群がる!! 
おっさんは突然立ち上がり
「ラララララララララ~今、何時、そうね、だいたいねぇ~」
く・わ・た・けいすけ!!!!  桑田佳祐だ!!

ハチ公前に幾重もの輪が!
おっさん改め桑田佳祐の隣で、ユースケ・サンタマリアが踊る。

人波が押し寄せ、弾き語りしている俺をも飲み込もうと。
俺は、桑田佳祐に負けるかと、必死にシャウト!!
誰かに蹴飛ばされる、俺のギターケース。
うるせー!!俺は狂い歌う。

…さすがに、この人波。
ヤバいと思った桑田佳祐は、3曲で打ち切り、
ユースケ共々ロケバスに逃げ込む!
そして、次の日のスポーツ紙一面を飾る!
(新聞発表「人波=2000人」) 

■桑田佳祐「音楽の寅さん」(フジテレビ)

「…実はね、必死に叫ぶ無名路上ミュージシャンの隣で
桑田佳祐が変装して歌ったらどうなるかって企画だったんだよ。」
と、デェレクターのSさんはネタばらし。
Sさんの女上司Fさん(元SMAP担当)がギャラをくれる。
正直、このギャラで飲んでやろうかとも思ったが、
悔しかったので、今でも、しまってます。
終電逃した俺…都会の隅で缶ビール…灰になる。

…数日後…フジテレビ「音楽の寅さん」で桑田佳祐の路上ライブが!
企画内容も変わったのか、5時間歌った俺は一瞬、小さく映っただけ。

その夜、ひとり飲み潰れた。
電信柱蹴飛ばして蹴飛ばしても蹴飛ばしても、
夜の街へ何を叫んでも、砂漠に取り残されたようで…ね。
好きな歌を必死に歌えど、こんなもん。
冷静に思い出しても、、、ハチ公前の人波は、
桑田佳祐という港の灯へ押し寄せ、
俺という岸へは…こなかった。

俺は、歌をやめた!
そして…このショックから立ち直るまで6~7年。
歳は、とうに30を過ぎていた。
でも…あの桑田佳祐との闘いがあり、
河島英五との出会いがあり、悩みすぎた日があり、
岸哲蔵の曲の底辺を築いたのは、確かだ。

■平賢之助こと平さん…有難う

…デェレクターSさんを紹介して下さった先輩は、
昨年2月、癌のため亡くなられた。
先輩とは、港で出会いました。
お互い普段着が「スカジャン」で、仲良くなりました。
(俺はTOKYO-JAPAN。平さんは雷神)

飲んだりケンカしたり色々あったけど、
思い出は、横浜の野毛山のお祭り。
金魚すくいで、二人で30匹くらいすくいすぎて、
大変だった(笑)
酔ってアパートでパーカッション叩いたり…。

勿論、「原宿ルイード」で、ほろ酔い気味の先輩が
Sさんを紹介してくれたあの瞬間、
今でも、昨日の事の様に覚えてます。

そっちの町でも、ワイルドにモンモン入れて
ドラム叩いているのでしょうね。
平賢之助さん、感謝してます。
Sさん、元気かな?小田原帰ったのかな?
Fさん、SMAPで、大変だったんだろうな(笑)


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