映画「チョコレートドーナツ」

お正月は三社詣りと、DVDを借りての映画鑑賞で時が過ぎそうです。
自分がDVDを選ぶ時は、好きな役者さんが出ているかどうかで
判断してましたが、
今回は、映画評論家のリリコさんがTVで宣伝していた作品を選びました。
リリコ

■映画「チョコレートドーナツ」…あらすじ

(2012年 アメリカ)

時は、1970年代のNYブルックリン。
ルディ(アラン カミング)は歌手を夢見るも、
ショーパブで女装になり口パクで踊るパフォーマー。
その舞台を観たポール(ギャレット ディラハント)は、ひとめぼれし、
ひとつのゲイカップルが生まれる。

アメリカは自由なイメージがありますが、
自由の裏側には偏見と差別が色濃く残り、
弁護士という仕事をもつポールは、正義に燃えながらも、ゲイである事を隠し、
付き合っていました。

とある日。
ルディの隣人の女性が、ドラッグで逮捕されます。
そこには、マルコというダウン症の少年がおり、
施設に送られることに….。

不憫に思ったルディはポールと話し合い、マルコの了承も得て、
3人で暮らす為、裁判をおこします。
ただ、ゲイカップルが他人の子供をひきとるのは難しい為、いとこ同士と
名乗り、ポールの肩書きと発言力により、3人は仲良く暮らし始めるのです。

が、二人がいとこではなく、ゲイカップルという事がばれて、
マルコは再び施設へ。
しかも、ドラッグ常習犯の母親の釈放が決まり、マルコは再び母と
暮らす事に….。

しかし、ドラッグ中毒の母はやめられず、薬物摂取時、興奮が止められず
マルコに「外で、待っているように!」と告げます。

心優しきマルコは、笑顔で外へ。
そこは、冬のブルックリン。
都会の恍惚とした光とは裏腹に、震えが止まらないほど寒い風が…。

マルコは歩き続け、やがて、家の方角が解らなくなり….
3日3晩歩き続けました。
….ある朝….力尽きたマルコが….

悲しみに打ちひしがれるルディ。
そんなルディの元へ、1本の電話が…
「君の歌が聴きたいのだが…」

ルディは、レコード会社のスタジオで、嗚咽を吐きながら、
マルコを思い、愛を歌い、曲は録音され…。

■映画「チョコレートドーナツ」…まとめ…

この作品は、「障がい児をもち、母親に育児放棄された子供と、
家族のように過ごすゲイの話」が、モデルに描かれています。

マジョリティ(社会的多数派)の大きく強い声が轟く社会。
マイノリティ(社会的少数派)の声は、時に、大勢の指示のもと、
かき消されていきます。

でも、その中、心折れず、立ち向かうルディとポール。
そして、その心に燃える、溢れんばかりの愛情。

本質的な物事から目を背け、何事も決まり行く世へ向かう人々。
おいしい話ばかりを嗅ぎ付け、食い散らかすハイエナ達。

それで良いのか? それが正義か愛情か?
私達は、幼い子供達のように、何処か美しさを取り戻さなければ
いけない。

それを気付かせてくれるのが、映画だったり、小説であったり、
音楽や画なのかもしれませんね。

時には馴れないナイフとフォークを持ち、角度と尺度と
作法を変えて、見つめねば。

これからは、時に、映画からの気付きも、書き綴りたいと思います。
2015年の、「岸哲蔵の魂のブログ」も、何卒、宜しく御願い致します。