…1983年…
「実験君シリーズ」も第4弾…本日、最終話。
…夏休みも終盤戦。
テレビじゃ、九州地方に台風が上陸したと、
傘も差さず、びしょ濡れのレポーターが、涙目で叫んでいる。
「あぁー、今年の夏も終わりかぁー!」
と、急に切なくなるものだ。
思えば、青い空も、高くなったような気がする。
前回も書いたけど、米沢の夏は、短いけど「盆地」の
影響で、蒸し暑い。
でも、その短い夏を楽しもうと、色々と工夫もしている。
例えば、同じ盆地で、「元気温日本一」の記録を半世紀以上
守った?お隣山形市では、
「冷やしラーメン」というメニューが….
ラーメン食する比率「日本一」の山形らしい食だ。
そして、冷やしシャンプー。
これは、山形県内の殆どの理容店で使用し、
「のぼり」が上がるほど….
冷えたトニック系のシャンプーから、凄い爽快感が生まれる。
夏と言えば、冷やし中華だが、米沢市をはじめ、山形市界隈、
殆どのお店で出されるものには「マヨネーズ」が入っている。
何故か、汁との分離具合がまた良い!
もっと変わった店が、米沢市内にある。
このお店については、今後、再調査のもと、
ブログにて報告したいのだが、
「カキ氷の氷を、カンナで削る!!」
のだ。
恐るべき、米沢市の夏。
….話しは戻る….
朝イチから、あれだけ大合唱していたミンミン蝉も、アブラ蝉も
大合唱をやめ、
変わりに、つくつくぼうしや、ヒグラシが、静やかに鳴きだす。
夜は、スイッチョンや鈴虫、そして、泣く事を知らない
恐怖のあいつが出現する。
「六角お目目のカマキリだ!」
全身緑(茶色のカマキリを触ると、手が痒くなるので)で、鎌剣の達人?
本当、尋常じゃない目付きの悪さを誇るのだが、
雄カマキリは交尾が終わると、
雌カマキリの餌食として食べられる。
男尊女史文化の儒教の流れを汲む、我々日本では馴染まれない存在だが、
現代の草食系男子の社会には合うのかもしれない。
奴がもし、人間並みの身長だったら、間違いなくヤンキーだね!
しかも「ボス格」
(こんな感じで….)
そして、ヤツは突然出現する。
その日も突然だった。
歯ブラシ置きの上に、ヤツはハコノリ?をし、
身構えていた。
何だ、こらぁーって感じで。
っていうか、カマキリ君、お前不法侵入ですけど…
しかし、捕まえるのも気持ち悪いし、どうしようか悩んでいると、
あの人物が、ドアレールを横にスライドさせ入ってきた。
「実験君だ!!」
実験君は、カマキリの威嚇攻撃を右から左へ受け流し、
ニコッと笑い、
人差し指を真っ直ぐカマキリに向ける。
カマキリは身構える。
「くるなら、きてみやがれぇ!」
実験君は、その指をカマキリの顔位置10センチ前くらいで止めて、
魔法使いのように、ゆっくり右回りに円を描く。
だと、六角お目めのカマキリも、
ガンたれながらも、つられて首ごと右回りを始めた。
それから、同じペースで、じっくり同じ右周りをひたすら続ける。
負けず嫌いのカマキリは頑張り続け、5分、10分、そして、15分…経過。
微妙に震えだすカマキリ。
でも、根性で耐え、ふんばる。
と、実験君は、その人差し指の動きを1度とめる。
で、次は、左周りをはじめた。
つられてカマキリも、左周りをはじめ。
1分経過。
実験君はまた、指の動きをとめると、
カマキリも動きをとめる。
と、カマキリの呼吸の裏をついて、
実験君は、今まで以上の倍のスピードで指を右周り!
「ぎょ!!!!!」
….悲惨にも、カマキリの首が劣化し、落ちてしまった。
ふーんふーん….って感じで、その場を立ち去る実験君。
取り残された俺…
と、その時、また誰かが、入ってくる。
母の母、いわゆるババだ!
山育ちのババは、「あらら」というと、首なしのカマキリを片手で、
しかも素手で潰し、庭に放り投げた!!
恐るべし、さすがは実験君のババだ!
上には上がいるもんだと知った、
1983年の夏の日でした。
あの日の実験君は、別世界の扉を開け、
今もひたすら疑問を追求し続けている。
己の信ずる正義を歩み、多数決に媚びず、
「東斧西走」
かなわない奴だぜぇ!
俺が最初にして最後に会った天才かもしれない。
今度は違った形で実験君を紹介したい。
が、、、もう少しそれは先の話で….
「実験君シーズン2」お楽しみに。
ありがとう!