殴られ屋(晴留屋明)~3話~

「殴られ屋を思いっきり殴ってストレス発散し、晴れやかな気持ちで帰って頂きたいな…そんな思いを込めて、晴留屋明と名乗りました」(晴留屋明)

■「殴られ屋ルール」

ルールは、ボクシンググローブをつけたお客さんが1分間殴り続ける。男はヘッドギアだけをつけ、身体一つギリギリでかわしていく。(男性1分¥1000 女性¥500)この商売を始めた男の名は、晴留屋明。元プロボクサーである。

本日、殴られ屋~3話~ 殴られ屋(晴留屋明)
~1話~は、こちらから→https://tetuzou-kisi.com/?p=2237
~2話~は、こちらから→https://tetuzou-kisi.com/?p=2241

■殴られ屋(晴留屋明)~テレビ進出~

新宿歌舞伎町に殴られ屋あり!! 口コミと噂は瞬く間にメディアの世界へ届く!! テレビ、週刊誌の取材殺到! お陰様で名前と共にお客さんも増える。
そんな時だ。とあるゴールデンタイムの番組が「殴られ屋(晴留屋明)を毎週取り上げたい」…と。
内容は、毎日カメラを置き、殴られ屋の日々を週単位で放送。最後に、1億5000万円までの借金残高をお知らせするというもの。

ギャラ交渉もまとまり、いざレギュラー決定という瞬間に邪魔が入る。警察だ!
「こういう商売が前例になっては困る」というものと、「そもそも、新宿コマ前での不法営業を宣伝されては困る」….と。

正直、的をえた内容で、返す言葉もなく、また、普段の日々へ。

■殴られ屋(晴留屋明)~苦悩…そして答え~

殴られ屋は、1998年から始めたが、妻や子供とは、別々に暮らすようになった。 昼は現場、夜、歌舞伎町で殴られ屋をやり、現場の詰め所で眠る日々。これだけ頑張っても借金は思うように減らず、疲れもとれない…。

久しぶりに妻子と再会する度「そんな危険な事は止めて」という。特に、溺愛し親友のように時間を過ごしてきた長男は、父と離れ母も仕事に出る日々に、寂しさを精一杯込めて「パパなんて、大嫌い」という。
もしかして、私が今一番しなければいけないのは殴られ屋ではなく、殴られ屋を1日も早くやめる事では…強く考えるようになる。
しかし、本来は死に場所であった、この殴られ屋の舞台こそが、殴られ屋の唯一の生きがいにもなっていた。

■殴られ屋(晴留屋明)~休業~

殴られ屋(晴留屋明)…この本が出た後、殴られ屋こと晴留屋明は休業に入る。
身体は完全に悲鳴をあげていた。3年4ヶ月…殴られてきたのだ。

左目は失明し、後遺症で記憶障害もおきていた。殴られ屋後の生活環境は、殴られ屋の日々よりも苛酷で、こちらの自身2冊目の本に書かれている。
明日こそはれるや

「明日こそハレルヤ」(晴留屋明)

■殴られ屋(晴留屋明)~まとめ~

世の中には沢山の仕事があり、現在の日本は東京五輪へ向け景気も上がっている。しかし、やはり「勝ち組と負け組」に完全二極化しつつある。
原因はなんだろうか? もしかして、仕事とはこうあるべきだという理念が一致し、同じものを追いかけているのではないだろうか?
同じものを追いかけたら、やはり体力ある大手には勝てないし、食われる。
現代日本には、各分野でそういった同じピザの取り合いがおきているのではないだろうか?

この殴られ屋(晴留屋明)の凄さは、新しいピザをつくった事だ!
だから勿論、ピザの食い合いはおきない。
しかも、殴られ屋こと晴留屋明さんは、この新しいピザをリアル化しただけではなく、メディア進出し、現代のSNSでも生きている。
そして韓国では殴られ屋の日々が映画化され、日本でも殴られ屋をモチーフにした映画が放映された。

自分は、殴られ屋、晴留屋明さんに感動と感謝の気持ちを込め、3本のブログを書かせて頂きました。
今は、とにかく、ご体調ご自愛下さいませ。勇気と気付きを有難うございました。
(おわり)

■岸哲蔵ホールライブ