自己分析/幼少期の夢(後)

■「A猪木vsWウィリアムス」

幼馴染の曾祖父に勧められて見た
衝撃的映像。
熊に襲いかかる空手家の大男。
その名は、ウィリー ウィリアムス。
極真空手の最強….マシーン。
猪木は大丈夫なのか?心がざわつく。

それから数日後、幼馴染に呼ばれ、
遊びに行くと、例の猪木vs空手家の
大男ウィリーの試合が始まると。
TVの中の試合会場は異様な雰囲気。
いつも見ているプロレスのお気楽さが無い。
大男ウィリーが入場して来る。
周囲を異様な目つきをした日本人数人が
ガードしている。観客も殺気立ち、これから
決闘へ挑む格闘家の様だ。
よく見ると、空手の道着を来た者までいる。
猪木の入場。プロレスの時とは違い、
日本だと言うのに「イノキ・ボンバイエ」で
誰も盛り上がらない。まるでアウェー。
リングで選手同士はクールに装うが、
両陣営はバチバチ、特に空手側(極真空手)
は鎖を引きちぎり噛みつこうとする狂犬
….いや、狼。
両者ボディチェックが終わり、レフェリーが
開始のゴングを告げる。
(レフェリー/ユセフ トルコ) 

上半身の道着を脱いだウィリー、
両手を頭上に構え吠える。
褐色の肌に張り出す筋肉。
鋼鉄の様であり、ゴムの様だ。
冷静に対処する猪木。
が、両陣営、観客同士が刺激しあい、
けしかけられた犬の様だ。
互いが互いの領域に踏み込んでいく。
ウィリーの長い脚から繰り出される蹴り。
それを寸前でかわし寝技に入る猪木。
気が付けば、両者はリングから転落し、
猪木は腕ひしぎ逆十字固めを決める。
そこへ空手側セコンド陣が猪木を蹴る。
動きの止まった猪木の上にウィリーが
馬乗りになり殴る。もう、試合ではない。
レフェリーは試合を止める。
「両者ドクターストップ/引き分け」
脇腹を傷め片膝をつく猪木。
腕を傷め、腕が曲がらなくなったウィリー。
両陣営は引き金を轢いた飛び道具。

手に汗握り、呼吸を忘れたかのように、
画面に釘づけになっていた。
それにしても、物凄い試合だった。
自分も闘った格闘家のような気持ちだ。

僕も猪木のようになりたい!
心の奥底にイノキ ボンバイエが流れる。
1980年2月27日….将来の夢(憧れ)は
刑事から、アントニオ猪木になる。
幼稚園卒園式、少し前の頃だ。