尾崎豊~忘れな草(1)~

■尾崎豊 忘れな草

1992年4月25日
…その日の夕方、俺は居酒屋の厨房にいた。(仙台市北仙台)

まだ、高校を卒業したばかりで、親方の指示で、
とにかく誰よりも早く動き、誰よりも大きな声で、
厨房を駆け回っていた。

そんな時、
「岸、岸、岸ぃ~….知ってる??尾崎、死んじゃったよ…
今、ニュースでやってた….」

と、ホールを仕切っていた、
一つ上の女性が駆け込んできた!!

「尾崎??」
頭に浮かんだのは、ジャンボ尾崎で、
厨房の奥にいた親方は
「尾崎紀世彦かぁ~??」…と…

彼女は間髪入れず
「何、言ってんの!!尾崎豊です!!」
と、ドングリのように、まんまるな目玉で、真顔で言い切った。

「尾崎豊って、まだ若いですよねぇ!20代ですよね。」

…当時の俺にとっては、遠い存在で、殆ど曲も聴いた記憶がなく、

I LOVE YOUって、良い曲だなぁ~くらいの意識だった。
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                        ~つづく~