10数年前….とある給料日の夜….
俺は、気分良く、みんなでどんちゃん騒ぎし、
その流れで、新宿南口でお店を開く、
「占い師」に、「前世」を見てもらう…と….
「犬だねぇ!!」
気分良く吞んでたから、そのギャップにたがが外れ、
かなり質問しつつ、訂正を促すも、水掛け論に陥り、
そのばばぁと、言い合いになるも、終電車の前には勝てず、
「前世犬」という事実?を抱いたまま、今日に至る。
ただ、今、思えば、「的はずれ」ではなく….
当たってるのかもという、幾つかの事例が、圧し掛かる。
確かに俺は、かなりキツイ現場でも、文句言わず、
忠実にこなすし、
かなり、犠牲心を持ち合わせている。
幼い頃の夢は、「ジーパン刑事」(太陽にほえろ)
で、…刑事を俗語で「犬」と言うらしい。
そう言えば、小5~高1まで、母が婦警さんだった。
(ん…だと→犬の子…という事実?)
野球少年時代、守備練習時、ノッカーのボールを追いかける時、
いつも、「舌」を出しながら、
捕球していたらしいし…
….俺を犬と呼ばず、誰を犬と呼べるだろうか….
そう….
実家時代、「柴犬」を飼ってた….というより、
「家族に犬がいました。」
ポリー(柴犬 メス)
本当、可愛くて、3つから、高校生になっても、
一緒だった。
一緒に、兄弟として、成長した感じかな?
思えば…俺が3つの時…
ポリーと、アイスクリームの取り合いになり、
泣かされる…
同じ頃、ポリーとじゃれあっていると、
俺のパンツをくわえ、引っ張り転ばせ、
俺からパンツを奪い、泣かす….
よくよく考えると、飼い主の子供というより、家族で自分より
「ランク」の低いヤツというレッテルを
貼られていた感が…
ポリーは、凄い「子供」が好きで、友達が来ると、
シッポをパタパタさせて、駆け寄ってた。
多分、誰だか、言えないだけで、解ってたんだろうな…
そう、小1の時、初めて書いた作文は
「愛犬ポリー」だった。
でも、俺が高2の初夏の頃…突然、ポリーは
亡くなった。
獣医の医療ミスだった!
定期の、狂犬病注射の時、中国人の医者は、
何歳なのかも、しっかり確認せず、
歳をとったポリーに、間違った量を注入。
ポリーは、腎臓をやられ、次の日から、この病院に
通い、点滴…
病院のスタッフは「あら、先生、量を間違えたみたい…」
とんでもない、ヤブ医者であり、心のない、
このスタッフの声….
争いたい気持ちを抑え、とにかく家族でポリーに付き添い、
お薬を与え、お水を飲ませ、撫で、自然治癒を信じ、
ポリーへの愛情を、全力で注いだ。
犬は、人に飼われても、
やはり「動物」
ある朝、ポリーを見に行くと、いないんです!
首輪も外して…
自分の「最後」を悟ったのでしょう。
木の陰になってる、温度の低い雑草の茂みに、
横になってました。
見つけて、抱いたら…本当、軽くなってて…
16の俺は、本当に無知で馬鹿で役立たずで、でも、
とにかく栄養を与えなきゃと、
夜、眠れずにいるポリーを撫でながら、
犬が魚を食べないという事も知らず、
ポリーに煮干しの成分と栄養を話しかけ、
「煮干し」を与えました。
心の本当に優しいポリーは、俺の事を思ったのか、
だまって、食べ…
…食べたふり…だったのかな?
そして、いつものように、
微笑んだような表情を見せてくれました。
その2日後だったかな、
「最期」は犬小屋の中で、死に際を見せまいと
背をむけたまま…
(1990年6月)
うちの庭には、ポリーのお墓があります。
実家に帰った時は、朝必ず、
コップに、お水を注ぎます。
そして、お墓に水をかけてあげます。
これは、ポリーが、雪が降るたび、家の中に入れてと
「哀願」する程の寒がりでもあり、
夏になると、舌を出し、はぁ~はぁ~させるほど、
熱がりでもあったから…
そうだ、今度は、ポリーの一番好きな「アイス」
を買ってこう。
正直、俺は「占い」には興味ありませんが、
なんだか、ここまで犬との「相性」の良さを
再確認すると、
「前世が犬」でイイジャンって
思えてきました。
もう、ポリーが死んで24年か。
俺は、ポリーに何をしてあげられたのだろう。
少なくても、パンツを脱がされた借りすら…
返せてないかなぁ…
ポリー、また、次の人生で、俺とお前で…逢おう。